歯が抜けるのは老化現象でしかないと思っている人が多いようですがそれは誤りです。
抜歯原因の42%が歯周病なのです。
歯周病は「沈黙の病」とも呼ばれ、初期に目立った症状もないまま進行するので、ほとんどの人が気づかず放置しているのです。
歯周病の恐ろしさは歯を失うだけではありません。歯周病菌が歯茎や歯根の周辺の血管に入り込み、血液とともに全身に運ばれて血管や臓器で炎症を起こしてしまうのです。
歯周病菌が血管に運ばれると、それをやっつけるために白血球がやってきて「サイトカイン」という物質を出して
歯周病菌を攻撃します。この時サイトカインが正常な血管壁まで攻撃して血管に炎症が起こり、動脈硬化を起こしてしまうのです。
さらに善玉コレステロールの量が正常より激減し悪玉コレステロールが2倍以上に増え、動脈硬化を悪化させます。
これが心臓の冠状動脈で起これば狭心症や心筋梗塞を招き命に関わります。
また動脈硬化を起こした血管では血栓ができやすくなり、これが脳に運ばれれば脳梗塞を招きます。
歯周病の人はそうでない人に比べ脳梗塞を招く危険度が約4.3倍も高く、心臓病で死亡する危険度が1.6倍、歯をすべて失った人では2.8倍も高くなるそうです。
また歯周病が進行している人ほど人や物の名前を思い出す能力や引き算能力などの認知機能が低下することが明らかになっています。重度の歯周病の人はそうでない人より3.1倍も糖尿病になりやすいのです。
さらに歯周病の人は肺がんで1.6倍、腎臓がんで1.49倍、すい臓がんで1.54倍、白血病など血液がんで1.3倍も危険度が高まることが明らかになっています。
2018-09-21 09:53:41
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